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不安型愛着障害で解き明かすフレディの恋愛

愛着障害」という観点から、フレディの行動と恋愛について、解き明かしてみます。
愛着障害とは、生まれて2年目までに形成される普通の母間の愛情が、うまく形成されていないことから起こる心理的な問題のことを指します。
愛着は母親との関係だけでなく、全ての対人関係の土台となります。
一歳半の時の愛着パターンは、大人になってからも7割の人で、同じ傾向が認められます。

愛着が重要なのは、愛着のパターンが生涯にわたって、その人の情緒的、認知的、行動的、社会的発達に影響を及ぼすからであり、愛着の土台が不安定であると、発達にも影響が出ることになります。
安定した愛着を土台として、子供は様々なことを学び、吸収し、成長していきます。

愛着には、4つのタイプがあります。
安定型愛着スタイル
対人関係において絆が安定しています。
安定型の人は、安定した愛情の元で育っているので、自分が愛着し信頼している人が、自分をいつまでも愛し続けてくれることを当然のように確信しています。
人の反応を肯定的に捉え、自分を否定しているとか、軽蔑しているなどと誤解することはありません。

回避型愛着スタイル
距離を置いた対人関係を好みます。
親しい関係や情緒的な共有を重荷に感じやすく、親密さを回避しようとします。
縛られることを嫌い、人に依存せず、自分も人に依存せず自立します。
他人に迷惑をかけず自己責任を重視します。

不安型愛着スタイル
人に気を使ってばかりいて、相手の反応が悪いと、嫌われているのではないかと不安になる。
人に受け入れられているかどうか、人に嫌われていないかどうかに関心がある。
愛されたい、認められたいという気持ちが非常に強く、対人関係では愛情や思いやりを重視する。
拒絶されたり、見捨てられることに対して、極めて敏感で、少しでも冷たくされると、激しく不安になります。

恐れ・回避型愛着スタイル
愛着回避と愛着不安が両方とも強い場合、人と仲良くしたいと思うが、親密になることで強いストレスを感じたり傷ついてしまう。
人を信じたいけれど信じられないというジレンマ。

愛着障害は、大人のおよそ3割が抱えていると言われています。
7割の人は安定型ということになりますが、果たしてそうでしょうか?
愛着障害は、以前は愛情飢餓と呼ばれていたもので、子供の頃の愛情不足による心理状態のことです。
心の中に寂しさを抱えた人というのは、案外3割よりも多いように思うのですが、いかがでしょうか?

フレディの場合は、1歳半までの母親との関係がどうであったかはわかりませんが、8才で両親と離れて全寮制の学校に入ったため、心の中に大きな寂しさがありました。
学校に入っている間に、家族との心理的な距離が離れてしまったようなことを言っていました。
子供の頃から自立心が養われたというのは、本人の弁です。
フレディには、愛情に飢えている人の特徴が見られます。
強いメイク
強いメイクのフレディ

愛情に飢えている人は、人からの愛情を試します。
本当に愛されているのかどうか、わざと嫌われるようなことをして確認します。
他人に親の役割を重ね合わせ、無条件で愛情を注いでくれることを求めています。
フレディはずいぶんジム・ハットンの愛情を試していました。何度も出て行けと言ったり、別れると言ったり、ジムの友達がフレディの物を盗んだと疑ったり、ジムがフレディのプライベートをマスコミに流していると疑ったりしていました。

愛情に飢えている人は、何かあるとすぐに感情を暴走させやすい。
人から愛情を受け取る安心感をあまり経験していないため、常に孤独や不安を感じている。
心が満たされない状態であることが多く、冷静な精神状態を保つことが難しい。
ジム・ハットンがフレディと出会った頃、フレディは成功して大金持ちだったけれど、何か不安そうだったとジムは書いています。
フレディは何か気に入らないことがあると、すぐに怒るのですが、それは自分が大切にされていないと感じるからではないか。
ピーター・ヒンスも、フレディにはオーラがあるが、一緒にいてリラックスすることはなかったと書いています。

愛情に飢えている人は、誰かにわかってもらいたいと常に思っています。
自分が一番にならないと気が済まず、人から大切にされたいと強く思っています。
自分からは相手にまっすぐ心を開く方法を知らず、なかなか人と心を通わせることができません。
フレディは、自分の周りに壁を作り、人が入って来られないようにしていると言っていました。
誰にも自分のことはわからないと言っていましたが、それは本当は「わかってほしい」という意味だったのではないでしょうか?

愛情に飢えている人は、人からの評価によって、自信が極端にアップ・ダウンします。
内心では自分のことを好きだと思えないことが多く、自信が持てません。
人と比べてすぐに劣等感を感じ、何かと悩んでしまいます。
東郷かおる子さんが「フレディは不憫な性格で、自分のことが好きだけど、好きじゃなかった」と言っていました。
フレディはプライドが高かったけれど、マスコミのバッシングには傷つき、自分の歯並びなどに劣等感を持っていました。
自分が好きじゃない

子供時代に甘えや我儘が全く許されなかった人は、人よりも早く自立し、強い自立心がありますが、他人の甘えや弱さを許さない厳しさや冷たさを持つようになります。
子供時代に十分な愛情を受けた人は、甘えていた子供から、甘えさせることのできる大人(他者を見守りながら育てようとする大人の態度)へと向かって伸びやすくなります。
フレディの場合は、全く甘えられなかったかどうかはわかりませんが、両親から過保護に可愛がられたり、またある時は親の意に沿わないと、強く拒否されるといった極端な育ち方をした可能性があり、不安定な愛情の持ち方になったのではないかと考えられます。

愛情に飢えている人は、両親から思うような愛情が得られなかったので、そのかわりに恋人に甘えようとしますが、甘えさせてもらえないと、すぐに浮気に走ります。「さみしかったから」という理由です。
他に自分の理想のの人がいるはず、と探します。
同時進行で付き合ったり、セフレを作ったりして、自分の満たされない穴を埋めています。
孤独に弱く、一人でいられません。
他人の都合を考えず、夜中に電話したり、頻繁に連絡をとろうとします。
すぐに「好き」と言いますが、それはこんなに好きなのだから、同じように自分のことを好きでいてね、という意味です。
見捨てられたくないための愛情表現です。

この「愛情に飢えている人」というのは、愛着障害の不安型と良く似ています。
不安型は愛されたい気持ちが強く、見捨てられ不安があるので、愛情の対象と密着して安心を手に入れようとします。
すぐに恋愛モードになりやすく、仕事上の関係が恋愛に発展しやすい。
そう、フレディの恋愛関係で不思議だったのは、仕事関係の人物を恋人にするケースが多いことなのですが、これがその理由だったのです。フレディはレコード会社の上役や、マネージャーと恋愛関係になりましたが、それって仕事がやりにくいんじゃないの?というのが私の素朴な疑問だったのです。
フレディにとっては、仕事がやりにくいどころか、仕事関係をより強固なものにしたいという願望があったのかもしれません。

不安型の人は、相手から愛されたいという願望だけではなく、相手を理想化したり、相手と合体したいという無意識の願望があります。
なるほど、フレディは自分の恋愛体験から、多くの優れたラブソングを書きましたが、そのすばらしい歌のきっかけとなった元カレの写真を見ると、どうしてこの人のことがあんなに美しい歌になるの?という疑問が湧いたりするのも、相手を理想化していたからなのかもしれません。

不安型の人は、べったりとした依存関係を好みます。
親密になればなるほど、相手を自分の一部のように思い込んでしまいます。
見捨てられ不安が強いので、相手の愛情を確かめる行為も強くなります。
猜疑心や嫉妬心が強く、相手の行動を縛ったり、監視したりすることもあります。
フレディは自分では夜遊びをしているのに、ジム・ハットンが友達と飲みに行った時は大変怒って、別れ話にもなりました。
またガーデンロッジの全ての住人の居場所を知らないと気が済みませんでした。

不安型の人にとっては、自分が愛されているかどうかが非常に大きなウエイトを占めています。
パートナーから愛されていると感じると、自分は価値のある存在だと思えますが、パートナーから素っ気なくされたり、否定的なことを言われたりすると、急に自信がなくなり、落ち込んでしまいます。
自分を大切にしてくれる相手に対しては、自分も同じだけの愛情を返そうとします。
パートナーの愛情と献身を確かめるために、セックスに積極的になります。
フレディは2年ぐらいで、次々に恋人を変えていきましたが、その理由がわかるような気がします。
恋人を失う度に落ち込んで泣いていたというのも頷けます。
メアリーがいかにフレディを大切にしていたかもわかりますし、フレディはメアリーの愛情に最大限に応えたのでしょう。
愛の歌

フレディは子供の頃に親と離れて寂しい思いをしたために、愛情不足となり、不安定な愛着のタイプになったと思われます。
そのために生涯、愛を求め続け、愛の歌を作り、歌いました。
不安定型だったために恋人とのトラブルが頻発し、恋愛遍歴を繰り返しましたが、それが原動力となって創作活動に打ち込みました。
ジム・ハットンの愛情も試し続けましたが、その試練に耐えたジムにより、最後は暖かく見守られつつ世を去りました。
ジムがフレディに「なぜ自分を選んだのか}」ときくと、「きみは僕を勝ち取ったんだよ!」と言ったそうです。
フレディは最後にベッドから起き上がれなくなった時にも、ジムに「僕を愛してる?」ときいていたそうです。
愛を求め続けたフレディは、最後まで愛されて、そして今でも多くの人に愛され続けています!

私は不安型ではないので、ラブソングは苦手なのですが、フレディのためにはがんばって聴きます。
フレディに愛を!






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プロフィール

楽園のペリ

Author:楽園のペリ
1975年、初来日の武道館でクイーンを体験、フレディのファンになる。長らくクイーンのことは忘れていたが、映画を見て思い出し、フレディについて研究するうち、ついにロンドンのガーデンロッジや、モントルーのクイーンスタジオまで行ってきました!

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