「フレディは道化師である」という結論を書きましたが、実はその上にもう一段奥の結論があります。
それは「フレディはトリックスターである」という最終結論です!
トリックスター とは、神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を展開する者のこと。
善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、異なる二面性を持つのが特徴である。(Wikipediaより)
トリックスターは文化人類学や神話学で扱われる類型で、ユングも元型論に加えました。
トリックスターは光と闇の二面性を持ち、境界を突破して、これまで安定していた世界を破壊します。
そして神のように振る舞うこともあれば、突然に失墜することもあります。
日本のスサノオノミコトや孫悟空、またギリシャ神話のヘルメス(マーキュリー)もトリックスターと考えられています。
フレディはマーキュリーを名乗って以来、トリックスターとなることが運命付けられていたのかもしれません。

トリックスターは価値の転倒を行ない、天と地を結ぶ。
道化役を担い、王にもなるが没落する。
古い世界を破壊して波乱を起こすが、文化の発展を促す「文化英雄」とされることが多い。
フレディもお坊ちゃん育ちなのに、やたらとバッドガイになりたがり、しょっちゅうファックとかビッチと言っている。
フレディを「高貴で気高いあばずれ」と形容した人がいます。あばずれはビッチですね。
トリックスターは創造し、破壊する。贈与するが自分も受け取る。人を騙すが、自分も騙される存在。
彼は何も欲しない。彼は押さえつけられない衝動からのように、常にやむなく振舞っている。
彼は善も悪も何も知らないが、両方に対して責任がある。
道徳的、あるいは社会的な価値は持たず、情欲と貪欲に左右されているが、その行動を通じて、すべての価値が生まれてくる。
とてもよくフレディに似ているような気がする。
トリックスターは、「狡猾」「粗暴」「悪知恵」「愚かさ」などの特性を備え、決して道徳的に褒められる存在ではありません。
でも、その「道化性」ゆえに、境界を越えて幅広く行動するという特性をもち「英雄的偉業」を成し遂げることがあるのです。
やはり道化師なのですね。
ユングの『トリックスター』より
「彼は救世主の先駆者であり、救世主のように神であり、人間であり、動物である。彼は人間以下でも以上でもあり、半神半獣的存在であり、彼の主な驚くべき特徴は、無意識である。そのため、彼は彼の(明らかに人間の)仲間から見棄てられるが、それは仲間の意識水準からの落ち込みを示唆しているのであろう。」
ユングによれば、トリックスターとは「救世主の先駆者」であり、「愚か者」と「道化」としての側面もありながら、「英雄性」 も併せ持っています。
トリックスターの大きな特徴は、ひとつのキャラクターの中に「道化性」と「英雄性」という相反する要素をもった両義性にあると言えます。
フレディにとても良く当てはまりますね。

「愚か者」といえば思い出すのは、タロットカードのゼロ番「愚者」のカード。
「愚者」The Foolは、道化師の衣装を身につけ、棒を持って旅をしている。
頭には王冠を被っているので、かつては高貴な存在で権力があり、天上との交信の能力を持っていたことを表している。
つまり「愚者」は愚かであると同時に優れており、何も持っていないが全てを知っている人物。
かつては全てを持っていたが、今は全てを放棄して自由になった人。
これはトリックスターの「価値の転倒」と似ています。
「愚か者」は、この世の価値が転倒していることを示唆しています。
これはプラトンの「洞窟の比喩」にも語られています。
洞窟に住む縛られた人々が見ているのは、実体の「影」であるが、それを実体だと思い込んでいる。
同じように、私たちが現実に見ているのものは、イデアの「影」に過ぎないと、ブラトンは言っています。
私たちが考える世の中の成功や富や名声は、実体の「影」に過ぎないものであり、本当の「実体」は私たちの背後にあります。
それを私たちに気づかせるために、道化師やトリックスターたちは暗躍しているのです!
トリックスターとは、神話の世界や、文化人類学の研究対象の中にいるのではなく、現実の人間として存在するということをフレディは教えてくれました。
私たちは20世紀のトリックスターを実際に目撃したのです!

見たにゃ。
8月から4ヶ月にわたって書いてきましたが、一応の結論に達したので、ここで一区切りにしたいと思います。
また何かあれば書きます。
1月26日のクイーンのコンサートには行きます。
44年ぶりにブライアンとロジャーに会えるなんて!
それでは皆さま良いお年を!
それは「フレディはトリックスターである」という最終結論です!
トリックスター とは、神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を展開する者のこと。
善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、異なる二面性を持つのが特徴である。(Wikipediaより)
トリックスターは文化人類学や神話学で扱われる類型で、ユングも元型論に加えました。
トリックスターは光と闇の二面性を持ち、境界を突破して、これまで安定していた世界を破壊します。
そして神のように振る舞うこともあれば、突然に失墜することもあります。
日本のスサノオノミコトや孫悟空、またギリシャ神話のヘルメス(マーキュリー)もトリックスターと考えられています。
フレディはマーキュリーを名乗って以来、トリックスターとなることが運命付けられていたのかもしれません。

トリックスターは価値の転倒を行ない、天と地を結ぶ。
道化役を担い、王にもなるが没落する。
古い世界を破壊して波乱を起こすが、文化の発展を促す「文化英雄」とされることが多い。
フレディもお坊ちゃん育ちなのに、やたらとバッドガイになりたがり、しょっちゅうファックとかビッチと言っている。
フレディを「高貴で気高いあばずれ」と形容した人がいます。あばずれはビッチですね。
トリックスターは創造し、破壊する。贈与するが自分も受け取る。人を騙すが、自分も騙される存在。
彼は何も欲しない。彼は押さえつけられない衝動からのように、常にやむなく振舞っている。
彼は善も悪も何も知らないが、両方に対して責任がある。
道徳的、あるいは社会的な価値は持たず、情欲と貪欲に左右されているが、その行動を通じて、すべての価値が生まれてくる。
とてもよくフレディに似ているような気がする。
トリックスターは、「狡猾」「粗暴」「悪知恵」「愚かさ」などの特性を備え、決して道徳的に褒められる存在ではありません。
でも、その「道化性」ゆえに、境界を越えて幅広く行動するという特性をもち「英雄的偉業」を成し遂げることがあるのです。
やはり道化師なのですね。
ユングの『トリックスター』より
「彼は救世主の先駆者であり、救世主のように神であり、人間であり、動物である。彼は人間以下でも以上でもあり、半神半獣的存在であり、彼の主な驚くべき特徴は、無意識である。そのため、彼は彼の(明らかに人間の)仲間から見棄てられるが、それは仲間の意識水準からの落ち込みを示唆しているのであろう。」
ユングによれば、トリックスターとは「救世主の先駆者」であり、「愚か者」と「道化」としての側面もありながら、「英雄性」 も併せ持っています。
トリックスターの大きな特徴は、ひとつのキャラクターの中に「道化性」と「英雄性」という相反する要素をもった両義性にあると言えます。
フレディにとても良く当てはまりますね。

「愚か者」といえば思い出すのは、タロットカードのゼロ番「愚者」のカード。
「愚者」The Foolは、道化師の衣装を身につけ、棒を持って旅をしている。
頭には王冠を被っているので、かつては高貴な存在で権力があり、天上との交信の能力を持っていたことを表している。
つまり「愚者」は愚かであると同時に優れており、何も持っていないが全てを知っている人物。
かつては全てを持っていたが、今は全てを放棄して自由になった人。
これはトリックスターの「価値の転倒」と似ています。
「愚か者」は、この世の価値が転倒していることを示唆しています。
これはプラトンの「洞窟の比喩」にも語られています。
洞窟に住む縛られた人々が見ているのは、実体の「影」であるが、それを実体だと思い込んでいる。
同じように、私たちが現実に見ているのものは、イデアの「影」に過ぎないと、ブラトンは言っています。
私たちが考える世の中の成功や富や名声は、実体の「影」に過ぎないものであり、本当の「実体」は私たちの背後にあります。
それを私たちに気づかせるために、道化師やトリックスターたちは暗躍しているのです!
トリックスターとは、神話の世界や、文化人類学の研究対象の中にいるのではなく、現実の人間として存在するということをフレディは教えてくれました。
私たちは20世紀のトリックスターを実際に目撃したのです!

見たにゃ。
8月から4ヶ月にわたって書いてきましたが、一応の結論に達したので、ここで一区切りにしたいと思います。
また何かあれば書きます。
1月26日のクイーンのコンサートには行きます。
44年ぶりにブライアンとロジャーに会えるなんて!
それでは皆さま良いお年を!
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