ジョン・ダウランドのリュート歌曲を、スティングが歌っているというので聴いてみました。
ダウランド(1564〜1616)はイギリスの作曲家・リュート奏者で、シェイクスピアと同時代人です。
スティングの「Songs from the Labyrinth」は、なんとクラシックの殿堂グラモフォン・レーベルから発売されています。
聴いてみると、なるほどルネッサンス後期のダウランドは、イタリアオペラの声楽よりもスティングの方が合っていて、なかなか味のある歌唱です。
ダウランドはシンガーソングライターの元祖と言われる人で、シェイクスピア同様、現代に通じる感性があり、今でも流行りそうな印象的な曲もあります。それまで主流だった宗教曲は書かず、もっぱら世俗曲を作った人です。
ダウランドのライバルだったジョン・ジョンソンの曲が一曲だけ入っているのですが、これはアイリッシュがかっていて素敵な歌ですね。
まだギターがない時代ですから、伴奏はリュートですが、これがまた素晴らしい演奏で、昔の音楽とは思えない鮮やかさです。
アラブのウードが東へ行って日本の琵琶となり、西へ行ってリュート(ギターの先祖)になりました。
中でも目を引いたのが、スティングの演奏する「アーチリュート」です。
ネックが拡張されて「第2のネック」があります。

ロンドンへ行った時、博物館でこの楽器を見て「なんじゃこれは?」と思ったのでした。
スタッフにきいてみても「これは古い楽器です」というだけでした。
調べてみると、これはテオルボの類似楽器だという。テオルボならきいたことがあります。
通奏低音用の楽器ですが、ネックが拡張されているために、重厚な低音から繊細な高音まで出るそうです。
それにしても演奏がめちゃ難しそうですね〜これは!

スティングはちゃんと弾いています。すごい。
ダウランドの頃はこんな楽器だったのかと思いきや、17世紀のイギリスではアーチリュートではなく、イングリッシュ・テオルポを使っていたとのこと。昔の楽器は今のような規格がなく、百花繚乱なので難しい。
ダウランドの楽譜には、このようなものがあり、三方向に書かれています。
これはアルト、テノール、バスが3方向からテーブルを覗き込んで演奏するためのものですから、なんだか楽しそうですね。

ダウランドのリュート歌曲は、4人の合唱とリュートの形式になっており、「合唱王国イギリス」の原型を見る思いがします。
英国ではこのような音楽が400年にわたって流れているうえに、現在のポップミュージックが生まれたのですから、古い音楽と新しい音楽は一直線につながっています。
そこが日本では大きく異なるところで、日本は明治になって西洋クラシック音楽が入り、1950年代以降にポップミュージックが輸入されたのですから、いわば取ってつけたようなもの。日本の伝統音楽とは大きな断絶があります。
ダウランドの「4人の合唱とリュート」といえば、まさにクイーンの原型ではありませんか?!
英国の音楽史と、現代のポップカルチャーは直系で継承されています。

そしてクイーンは生まれた。
フレディの場合は外地で育っているので、英国のナーサリーライムなどをどのくらい聞いたいたかはわかりませんが、アフリカやインドの音楽との混淆がかえって良い結果をもたらしたのかもしれません。
フレディがダウランドを聴いたかどうかはわかりませんが、同時代のシェイクスピアの戯曲から、登場人物の名前が「マーチ・オブ・ブラッククイーン」に引用されていますね。オベロンという妖精王と妃のティターニアです。
(オベロンの伝説は中世にまで遡ることができます)
スティングは社会活動に熱心なミュージシャンとしても知られていて、熱帯雨林の保護活動や人権保護の運動を行なっています。
ブライアンとも気が合うのではないでしょうか?
最近のスティング

ダウランド(1564〜1616)はイギリスの作曲家・リュート奏者で、シェイクスピアと同時代人です。
スティングの「Songs from the Labyrinth」は、なんとクラシックの殿堂グラモフォン・レーベルから発売されています。
聴いてみると、なるほどルネッサンス後期のダウランドは、イタリアオペラの声楽よりもスティングの方が合っていて、なかなか味のある歌唱です。
ダウランドはシンガーソングライターの元祖と言われる人で、シェイクスピア同様、現代に通じる感性があり、今でも流行りそうな印象的な曲もあります。それまで主流だった宗教曲は書かず、もっぱら世俗曲を作った人です。
ダウランドのライバルだったジョン・ジョンソンの曲が一曲だけ入っているのですが、これはアイリッシュがかっていて素敵な歌ですね。
まだギターがない時代ですから、伴奏はリュートですが、これがまた素晴らしい演奏で、昔の音楽とは思えない鮮やかさです。
アラブのウードが東へ行って日本の琵琶となり、西へ行ってリュート(ギターの先祖)になりました。
中でも目を引いたのが、スティングの演奏する「アーチリュート」です。
ネックが拡張されて「第2のネック」があります。

ロンドンへ行った時、博物館でこの楽器を見て「なんじゃこれは?」と思ったのでした。
スタッフにきいてみても「これは古い楽器です」というだけでした。
調べてみると、これはテオルボの類似楽器だという。テオルボならきいたことがあります。
通奏低音用の楽器ですが、ネックが拡張されているために、重厚な低音から繊細な高音まで出るそうです。
それにしても演奏がめちゃ難しそうですね〜これは!

スティングはちゃんと弾いています。すごい。
ダウランドの頃はこんな楽器だったのかと思いきや、17世紀のイギリスではアーチリュートではなく、イングリッシュ・テオルポを使っていたとのこと。昔の楽器は今のような規格がなく、百花繚乱なので難しい。
ダウランドの楽譜には、このようなものがあり、三方向に書かれています。
これはアルト、テノール、バスが3方向からテーブルを覗き込んで演奏するためのものですから、なんだか楽しそうですね。

ダウランドのリュート歌曲は、4人の合唱とリュートの形式になっており、「合唱王国イギリス」の原型を見る思いがします。
英国ではこのような音楽が400年にわたって流れているうえに、現在のポップミュージックが生まれたのですから、古い音楽と新しい音楽は一直線につながっています。
そこが日本では大きく異なるところで、日本は明治になって西洋クラシック音楽が入り、1950年代以降にポップミュージックが輸入されたのですから、いわば取ってつけたようなもの。日本の伝統音楽とは大きな断絶があります。
ダウランドの「4人の合唱とリュート」といえば、まさにクイーンの原型ではありませんか?!
英国の音楽史と、現代のポップカルチャーは直系で継承されています。

そしてクイーンは生まれた。
フレディの場合は外地で育っているので、英国のナーサリーライムなどをどのくらい聞いたいたかはわかりませんが、アフリカやインドの音楽との混淆がかえって良い結果をもたらしたのかもしれません。
フレディがダウランドを聴いたかどうかはわかりませんが、同時代のシェイクスピアの戯曲から、登場人物の名前が「マーチ・オブ・ブラッククイーン」に引用されていますね。オベロンという妖精王と妃のティターニアです。
(オベロンの伝説は中世にまで遡ることができます)
スティングは社会活動に熱心なミュージシャンとしても知られていて、熱帯雨林の保護活動や人権保護の運動を行なっています。
ブライアンとも気が合うのではないでしょうか?
最近のスティング

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